依頼は絶対に断るな!その信念が、あなたを成長させるから。

  • 新城市民病院 総合内科:宮道亮輔医師
  • 平成14年 自治医科大学卒
  • 日本内科学会認定医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医

新城市民病院は、愛知県東三河北部の基幹病院。高齢化が進む中、今この地域の医師たちに求められているのはどんな診療体制なのか、そして、総合診療は何を目指すべきなのか。総合内科医の宮道医師にお話を伺いました。

患者さんの思いを受けとめ、何でも対応するのが地域の医者。

さっきまで、救急の患者さんの対応をしていました。地域では、内科医であろうが外科医であろうが、いま目の前にいる患者さんを救うために最良の医療を提供する必要があるんですよ。もはやジャンルは関係ない。

私は自治医科大学(※昭和47年開学。へき地や離島医療の充実を目的に、各都道府県の共同の出捐によって設立された大学。)の出身で、卒業後は地域医療に携わることが分かっていました。地域で患者さん中心の医療に取り組みたいと思った時、総合内科医は私にぴったりの仕事だったんです。

「病(やまい)モデル」で、生活者としての患者さんを診る。

家庭医療の分野では、「疾患モデル」と「病(やまい)モデル」という二つの考え方があります。疾患モデルは、病歴や身体所見、検査所見から病名を決めて治療を行う、というごく一般的な診療の流れを指します。それに対して「病モデル」は、患者さんの病(物語)を受けとめて対応します。例えば、お腹が痛くて来院された患者さんでも、「消化器系のがんでご家族を亡くされたから心配」とか、「午後から大切な商談があるから、とりあえず痛みを和らげたい」など様々な物語を持っています。患者さんの持っている物語を受けとめて対応することで、病を治すことを意識しています。疾患モデルと病モデルのどちらかに偏りすぎても良くないので、バランスを取りながら対応しています。病院の規模が大きいと、病モデルの対応を忘れてしまいがちなんですね。でも、私たちは地域密着で患者さんのために働いていますから、いつもと違う様子に早く気付いて、密接に関わっている相手だからこそできる診療をしていきたいと思っています。

お前のやりたいことは、どうでもいいんだ。

かつて先輩に「お前のやりたいことは、どうでもいいんだ。」と言われたことがあります。自分のやりたいことをやるのは当たり前ですよね。それよりも地域に必要とされることをする。はじめは興味がなくても、やっているうちにやりたいことに変わるかもしれないですから。自分の枠に閉じこもるのではなく、枠を広げることが大切だと思っています。かつて私は、岡崎市額田宮崎診療所という地域の診療所で所長をしていたことがあります。医師は、私ひとり。こうなるともう、何でも自分でやるしかないんです。でも自分だけでできるわけはない。看護師さんや保健師さん、ケアマネージャーさん、後方病院の先生らに大分助けられました。「何でも受け入れる」と言っても、「何でも自分で全部やる」というわけではないんです。患者さんのために何ができるかを考えている仲間が地域の中にはたくさんいる。私は自分自身をメンバーの調整をするコーディネーターのような存在だと思っています。その連携体制さえあれば、どんな依頼も受けることができると思うんですよ。

巻き込まれ型、雑食系。ここは、そんなあなたが活躍できる場所。

総合診療に取り組むなら、内科以外の知識も必要です。私が研修医のころは、地域で働く先輩をロールモデルにしながら、いろいろな専門医の先生から学びました。特定の臓器だけではなく、患者さんをじっくり診たいという人には、この分野は向いていると思うんです。若いうちにジェネラルな力をつけるのも良いですし、開業する前に現場力をつけるのにも向いています。自分はこれだ!と決めつけず、置かれた環境でやりたいことと必要とされることのバランスを取りつつ挑戦を続けていくと、自然とどこの地域でも求められる医師になれると思います。2011年4月から、奥三河の診療所も巻き込んだ地域型総合診療の後期研修プログラムも始まりますから、ぜひ多くの人に飛び込んできてほしいですね。

患者さんとも看護師さんとも、そして新城という地域ともじっくり向き合う、「地域のまと名医」。

宮道医師をお訪ねしたとき、ちょうど救急車で患者さんが搬送されてきました。
「今から対応したいんで、ちょっと待っててくださいね~。」そう言い残して颯爽とその場を去って行かれました。
そんな、何でも来い!誰でも来い!精神の宮道医師を一言で表現するなら“地域のまと名医”です。
地域の医療スタッフをまとめ、地域みんなの健康を見守る。
さらに二人目、三人目の“まと名医”を育てるために、教育にも情熱を注いでゆきます。